尾瀬は、福島県、新潟県、群馬県、栃木県の4県にまたがり、2000m級の山々に囲まれた全国的な景勝地。
本州最大級の高層湿原である尾瀬ヶ原をはじめ、尾瀬沼や三条ノ滝など豊富な水が作り出す美しい風景。
燧ヶ岳と至仏山など日本を代表する山々が織りなす多様な自然環境と景観を持ち合わせています。
尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原は、本州最大級の高層湿原として知られ、まっすぐ伸びる木道も相まってのびやかで優しい景観を作り出しています。
東西6km 南北2kmにわたる広大な湿原は抜群の解放感。
大小様々な池塘が点在し、場所によって逆さ燧や逆さ至仏が見られるほか、ミズバショウ群生地で有名な下ノ大堀川や龍宮現象など少しの寄り道も楽しいひととき。
尾瀬山開き直後のミズバショウに始まり、ワタスゲやニッコウキスゲ、秋のリンドウや草紅葉など、美しい湿原特有の風景を楽しめ、高低差もほとんど無いため、老若男女問わず、自然が好きな方なら一度は訪れたい場所。
山ノ鼻に3軒、竜宮に1軒、見晴に6軒の山小屋が点在するメインストリートにはシーズン中、多くのハイカーで賑わい、泊まる事でしか見られない白い虹や朝靄の景色も見どころの一つです。
尾瀬沼
尾瀬沼は、尾瀬ヶ原と合わせて尾瀬国立公園を代表する景勝地の一つ。
只見川の源流部に位置し、これより高い場所にこれより大きな湖は日本にありません。
水辺が作り出す景観はゆったりした時間を演出。いくつか設置された展望テラスからは、沼越しに雄大な燧ヶ岳を望む事ができます。
また、尾瀬で二番目に大きな湿原である大江湿原も尾瀬沼エリアの見どころの一つです。長さ1.5km 幅200mと尾瀬ヶ原と比較すると小さいですが、夏はニッコウキスゲやワタスゲが群生する事で知られ、多くのハイカーで賑わいます。
山小屋は3軒。夕焼けに染まる尾瀬沼や、夜空を彩る満点の星空は、泊まらなければ見られない魅力的な景色です。
尾瀬ヶ原ほど混み合わないので静かな時間を過ごす事ができ、季節ごとに移り変わる風景と水辺の波打つ音と水鳥の姿は、尾瀬で一番の癒しスポットです。
三条ノ滝
「日本の滝100選」に選ばれる三条の滝は、尾瀬沼や尾瀬ヶ原の水をかき集めて流れ落ちる落差100m、幅30m、水量日本一とも言われる大瀑布。
春先、展望台が開通した直後は雪解け水が混じり、轟音を立てる姿は迫力満点。それから徐々に水量も落ち着き渇水時に三筋に別れて落下する事から三条ノ滝と名付けられました。
背景を彩る新緑や紅葉など、四季折々の変化が楽しめます。
尾瀬の中でも少し奥まった場所にありますが、定番の尾瀬沼・尾瀬ヶ原にプラスして、尾瀬の水を巡る旅のハイライトに、ぜひ訪れて頂きたいおすすめスポットです。
燧ヶ岳と至仏山
尾瀬ヶ原を挟んでそびえる燧ヶ岳と至仏山は、ともに日本百名山に選ばれる尾瀬のシンボル的な山になります。
ゴツゴツした山容の燧ヶ岳を男性に、たおやかな佇まいの至仏山を女性になぞらえて、お互いを引き立てるように居並んでいます。
燧ヶ岳は標高2356m。東北以北最高峰の山となっており、これより北にこれ以上高い山は日本にありません。
ピークは全部で5つ存在し、そのうち柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳の3つにそれぞれ登山道が伸びているので、色々なルート取りで楽しむ事が出来ます。
山頂からは尾瀬沼や尾瀬ヶ原のほかに、帝釈山地や日光の山々、越後三山などが見渡せる抜群の展望を誇り、他にはない特徴的な山頂風景を持っています。
また、燧ヶ岳の火山活動によって只見川や沼尻川を堰き止め、尾瀬ヶ原や尾瀬沼を作り出した「尾瀬の生みの親」と考えられています。
至仏山は標高2228m。山頂稜線が中央分水嶺に位置し、西側を流れる沢は利根川へ、東側は尾瀬ヶ原を経由して只見川へ流れます。
東面登山道は植生保護のため登り専用となっておりますが、振り返れば尾瀬ヶ原を一望できる気持ちのいいルートです。標高を上げると現れる蛇紋岩はたいへん滑りやすく注意が必要です。
蛇紋岩という岩石は、他地域からの植物の侵入を拒み、そのため至仏山には固有の植物が残されました。
尾瀬の中でもホソバヒナウスユキソウやオゼソウなど至仏山でしか見られない植物も多く、GW開けから山開きまで植生保護のため閉山するなど取り組んでいます。
また、ゴールデンウィーク期間中の残雪期には、燧ヶ岳、至仏山ともにバックカントリースキー・スノーボードのメッカとしての一面も持ち、一年を通して登山者で賑わう人気の山です。